今月のおはなし 第43回

毎月鬼子母神様のご祭礼を行っています。12月のご祭礼が終わるとあるご婦人が、「『ばけばけ』でお上人さんが団扇太鼓たたいてご祈祷してたね」と団扇太鼓を持って嬉しそうにおっしゃいました。
現在NHK連続テレビ小説では、小泉八雲夫妻をモデルにした『ばけばけ』を放映中。番組では住職役の伊武雅刀さんがお祓い後に、ヘブン先生(八雲)に怪談を語ったことで、先生は怪談に興味を持ちます。これをきっかけに、のちに妻となるおトキさんが、先生に怪談を語る日々へと展開していきます。
その中で『子捨ての話【貧しさゆえに自分の赤子を川に捨てていた親にも、経済的余裕ができ、育て始めた赤ん坊。ある晩、寝かしつけようとしていた父親に赤子が「最後に私を捨てた時もこんな月夜だったね」と過去に記憶を告げる】』が語られます。
先生は父に捨てられた経験と重なり「身勝手な父」と怒りますが、おトキは「何回、捨てられてもこの子は同じ親の元に生まれたのだから、子の親への深い愛情の話で、きっと親は大切に育てただろう」と自分の解釈を述べます。
法華経では「この世のすべての衆生は自ら求めてこの世に生まれた」と説かれていますから、この赤子も父も、求めて生まれてきたのです。お釈迦様は「この世のすべての衆生はわが子であり、救うために出現した」とおっしゃっています。父を許すことで、親子がともに救われる話だとおトキさんが教えてくれています。すべてのいのちを救う教えが法華経。「いのちに合掌」
【円頓寺 塩田宝裕】

一覧へ