文殊(もんじゅ)と普賢(ふげん)
お釈迦様の左側に侍し獅子に乗る仏様は、仏の智慧の徳をつかさどる文殊菩薩です。右側に侍し六牙白象に乗っておられるのが、仏の理・定・行の徳をつかさどる普賢菩薩です。「智慧」の文殊に対して、「慈悲」の普賢とも言われています。
「もんじゅ」と言えば、高速増殖炉「もんじゅ」を連想する方もいるのではないでしょうか。「もんじゅ」の名は文殊菩薩に由来します。新型転換炉「ふげん」ともに「文殊、普賢の両菩薩は、知慧と慈悲を象徴する菩薩で、獅子と象に乗っている。それは巨獣の強大なパワーもこのように制御され、人類の幸福に役立つのでなければならない」と願いを込めて命名されたようです。
医療・科学技術の進歩は凄まじく、遺伝子やiPS細胞の研究など、神仏の領域にまで到達する勢いです。仏の技術にするか、悪魔の技術となるのか、最後は人にかかっています。
「智慧」だけに頼るのではなく、「慈悲」のこころが重要なことは、歴史が証明しています。
【大光寺 村瀬正光】