布教師会(中村啓承会長 遠別町 長遠寺住職)主催による管区布教研修会が令和5年11月22日、旭川市妙法寺で開催され、管内教師およそ25名が聴講した。
講師は北部布教師会会員の香川大慈師(枝幸町 妙遠寺副住職)と穂坂眞悠師(留萌市 感應寺副住職)がつとめた。
ここ数年、外部から講師を招いていたが、それ以前は会員の中から講師を選出し行っていた。講師を担当する者は、自由に内容を決めることが出来、半年から長い者は数年かけて研究および準備をする。その研究発表の場が管区布教研修会である。
第1講は香川大慈師による『信仰の歴史と未来』をテーマとして行われた。最古の宗教といわれるシュメール神話の話から始まり「認知革命」や「農業革命」による信仰の加速、また「科学革命」による信仰の変化へと話が進んでいく。そして現代の「AI」による急激な信仰の変換についての考察が述べられ、最後に仏教徒として、日蓮宗僧侶としての存在意義を述べ終了した。
第2講は穂坂眞悠師による『三国四師における提婆達多品龍女即身成仏説』をテーマとして行われた。インドのお釈迦様、中国の天台大師、日本の伝教大師、そして宗祖である日蓮聖人、それぞれの龍女即身成仏の解釈を主軸とし、どのようにして女人である龍女が提婆達多品で成仏するのかを丁寧に分かり易く説明された。終盤では日蓮聖人の御遺文を元に宗祖の女人成仏観についての考察を述べられた。
両師とも割り当てられた60分では語り尽くせないほどの資料があり、長い時間をかけて研究された努力が表れていた。水野英修副会長は「今後も更なる研究を続け、是非新たなる考察・見解を発表して欲しい。」と述べられ閉会となった。