こんにちは。副住職です。
先日、私が所属しております青年会主催の第30回サマースクールが行われました。毎年夏休みの時期に、1泊2日で管内寺院のどこかをお借りして行う、小学生を対象としたお寺修行体験のようなイベントです。
その開校式で、とある来賓のご挨拶で欧米の諺としてこのようなお言葉がありました。
「宗教なき教育は賢い悪魔を生む」(ちょっと記憶が曖昧ですが大きくは間違っていないはずです)
とても大事な言葉だと思ったので、私も少し調べてみましたところ、出典はイギリスの初代ウェリントン公爵アーサー・ウェルズリーの
「Educate men without religion, and make them but clever devils.」
という言葉のようです。仏教に限らず、宗教は道徳教育に大事な要素を持っています。「なぜ人は人を大切にしないといけないのか」、その答えに科学的根拠は必要ありません。必要なのは道徳です。その道徳を育むのは宗教です。現代の日本では、宗教というとなにか不気味で怖いものとして考えられがちです。おそらくオウムに代表される新興カルト宗教の影響でしょう。
ウェリントン公爵が述べるのは、科学的学問だけでは良い社会が築けないということではないでしょうか。いくら勉強ができても、それを世のため人の為に使えなければ、社会の発展には繋がらず、逆に富の独占にも繋がり得る、そう言えるのです。
「自分の幸せが第一」から、「人の幸せも自分の幸せ」に思考を変えることが、宗教の大事な役目なのかなと思います。