こんにちは。副住職です。
4月23日(土)、小田原城天守閣に於きまして、摩利支天の遷座奉安式が行われました。
天守閣は昨年の7月から始まった平成の大改修中ですが、5月1日のリニューアルオープンに向けて作業が進められています。
大改修の目玉の一つとして、最上階に摩利支天像が大々的に祭祀されます。この摩利支天像は、貞享3年(1686)に第三代小田原藩主大久保忠朝公が奉安したものです。大改修前も最上階に祭祀されていましたが、江戸時代往時の空間を再現したというわけです。摩利支天という神様は、イノシシに乗り、素早く移動し、敵の攻撃が当たりにくいことから、武家の信仰を厚く集めました。そのような意味で、摩利支天像は天守閣に鎮座されております。
そして平成の大改修という節目に、リニューアルオープンを目前にして、大久保家菩提寺である大久寺の住職が導師となり、他6名の僧侶が出仕の下、御天守摩利支天に読経・御題目を捧げ、天守閣の安泰と小田原の平和を祈願させていただきました。もちろんオープン前ですので、一般公開をせずに関係者のみのご参列でしたが、正直「勿体ない」と感じてしまいました。もっと多くの方に、大久保家の功績を知っていただく機会にできたのかなと、ちょっぴり後悔...ですが、これをきっかけに、年に一度天守閣にてこのような行事を催せたらいいなと期待と夢が広がっております。
正直なところ、今の小田原は北条氏一辺倒の風潮です。江戸時代の約200年を大久保家が治めていたこと(北条家は100年足らず...)を知らない方がほとんどかと思います。歴史をつまみ食いするのではなく、戦国時代の北条氏、江戸時代の大久保家、そして近代には各界の偉人たちが多くの館を築いたという小田原の素晴らしい歴史の流れを多くの方に知ってもらえたらと、ただ願うばかりです。
話が飛躍してしまいましたが、摩利支天遷座奉安式の様子は、4月30日発行のタウンニュース小田原版に掲載される予定です。是非、ご覧ください。