10月24日(土)、岡山県立美術館にて開催された「第5回 おかやま文化フォーラム」に参加することが出来ました。
「今、中世の実像を求めて 信仰世界の『こころ』と『かたち』」をテーマに、基調講演に加えて二つの事例発表とディスカッションが行われました。
どのお話も興味深く聴くことができましたが、殊に大阪大学名誉教授 平 雅行先生の基調講演「中世仏教とその信仰」は、最新の研究成果に基づくお話で目から鱗が落ちる思いがしました。
私にとっての「目から鱗」をいくつかご紹介します。
1)「中世」の始まりは?
「中世」は鎌倉幕府の成立(1192年)から始まると思っていましたが、現在の認識は、藤原氏と外戚関係を持たない後三条天皇の即位(1068年)から中世が始まると考えるようです。
2)源平内乱の衝撃
鎮護国家仏教により平和が守られていたはずなのに、源氏と平家の戦が全国的に広がり、ついには鎮護国家仏教の象徴である東大寺大仏が平重衡等により焼き討ちに遭います。
鎮護国家の仏教があるのに、なぜ平和が守られなかったのか?
この疑問が仏教改革の大きなきっかけになり、その延長線上に日蓮聖人のご出現もあると考えられるようです。
3)仏教医学
中世の仏教は祈祷だけで病気を治していたのではなく、漢方薬+養生法+懺悔+祈祷といろいろな指導を含めた仏教医学により病気平癒を行っていたようです。
この他にも多くの目から鱗のこともあり、たいへん勉強になりました。
会場には大勢のご高齢の方もお出ででしたが、皆さん熱心にお話に耳を傾けておられました。勉強する姿勢は素晴らしいですね。