【600】バカにされる宗教者

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お坊さんは偉い。

上のように考えてくださる方がいる一方、

宗教者という存在が好きではない方がおられることも承知しています。
 
 
私の場合、僧侶になってすぐは前者の人間に多く出会いましたが、

最近では後者の人間との関わりが増えています。
 
 
「お上人さん」(おしょうにんさん)ではなく、

ただの「アンタ」と呼ばれる。

※「お上人さん」は日蓮宗僧侶に対して、敬いと親しみを込めた呼び方
 
 
 
複雑な気持ちになります。

ムッとすることもあれば、

嬉しさを感じることもあります。
 
 
 
最近は特に、「アンタ」と呼ばれることが多いです。

檀家さんではない方と話す機会が増えたからでしょう。
 
 
お寺と関係のない方の前では、

私たちは「お上人さん」ではなくただの宗教者となります。

ただの宗教者。

なかなかに怪しい存在です。

あまり近寄らないほうがよさそうな雰囲気を感じます。
 

 
だからだと思いますが、私たちから近づくと、

相手から強い警戒心を感じることがあります。

泣かれたこともあります。

必ずしも「ごめん、ごめん」で済むとは限りません。
 
 
 
檀家さんの前だと忘れていることですが、

宗教者として生きるということは、

基本的に人から疎んじられることなのだと思います。
 

 
おそらく大半の人は好かれて生きたいですし、

好かれることが無意識のうちに至上命題になっていることもあるでしょう。

人に好きになってもらえることを目指すべきという正義の前では、

宗教は少し厄介な存在に見えるのかもしれません。

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