山門修繕 現状報告 その五

現在、山門はじっくりと補修されています。そんな時、大工さんと話していると「本堂や二天門はケヤキ材で作られているが、山門はクリ材で作られています。心当たりはありますか」
と聞かれました。そこで天明の大火以降の諸堂修繕記録を調べました。

第30世 日全上人
天明8年 1788 天明大火
寛政元年 1789 堂宇仮小屋 客殿再建

第32世 日近上人
享和元年 1801 祖師堂 二天門 裏門 再建

第33世 日慎上人
文化8年 1811 庫裡 玄関 再建

第35世 日亮上人
文政4年 1821 大黒堂 二天王拝殿 再建
文政9年 1826 書院
文政11年 1828 真骨堂
天保5年 1834 妙経開結要品
天保11年 1840 本堂再建

天明の大火は約250年前です。洛中の大火事であったため、鴨川の東である頂妙寺には火がとどかないと思われたようです。諸僧は火の用心をした後、鴨川を渡り洛中の救援活動にありました。しかし避難してきた人の持ち物から火が移り、諸堂は全焼してしまいました。
記録を見ますと翌年から堂宇仮小屋などが建立されていますが、本堂再建には50年かかっています。
再建のご苦労をしのぶとともに、当時のことを推測しますと、用心のため門は早く再建したかったでしょう。しかし大火の後、木材は高騰しそのために、クリ材を使ったのではないでしょうか。
そのことを大工さんに告げますと「山門の屋根の部材が、傷ついていたり、不揃いであったりします」と言われました。このことも大火の後、急いで山門を再建したのではないかと推測されます。

左上 工事前の腐食した屋根
左下 腐食した部分を取り除き補修
右上 瓦の下の山門の屋根
右下 傷ついた板や不揃いの部材が使われたいる

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