4月11日(土)・12日(日)両日、当山において法華懺法会【ほっけせんぼうえ】が厳修されました。
ご宝前正面に安置された宝塔を囲んで行われますので、宝塔懺法会とも呼ばれています。この法要は法華経の教えによって自らの罪を懺悔するとともに、広く世の中の一切の罪障を浄めて現世をそのまま浄土にかえ、世界平和を祈る修行です。江戸時代から連綿と金沢の仲間寺院に継承されてきた伝統法要で、現在日蓮宗でこのような形で継承しているのはわれわれ仲間寺院15カ寺だけになりました。春2カ寺、秋1カ寺が当番で厳修し、5年に1回当番寺がまわってきます。
そんな法要ですが、30年ほど前に消滅の危機にさらされました。仲間寺院のうち6カ寺が脱退を申し出てきたのです。五体投地礼を頻繁に繰り返す辛い法要なのですが、苦労のわりに参詣者が少ないことなどが理由でした。みんなの説得により脱退寺院は1カ寺となり、なんとか崩壊の危機を食い止めることができました。
そんなこんなで、なんとか維持してきた法華懺法会でしたが、当山も例に漏れず、参詣者の高齢化と若者の寺離れで年々参詣者が減り、5年前は2日間で21名となってしまいました。そこで今回は思い切って赤字覚悟で臨むことにしました。檀家以外の一般市民にも法要を公開することにし、そのために法華懺法会を説明したリーフレットを作成しました。さらに落語家の露の団姫さんに人集めにご協力いただいて、ポスター・チラシを作成し、回覧板に入れてもらったり、新聞にチラシを折り込みました。あと、フェイスブックでも広く参加者を募りました。その甲斐あって両日で130名の方に入場いただき大盛会に終わりました。これで地域の方にもこんな法要が行われていることを知っていただくことが出来、収入のことを除けば大きな成果を得たと思っています。まあ、「ぶっちゃけ寺」に出演されている露の団姫さんの力によるところが大きいのですが、それについては次の投稿で詳しく書かせていただきます。 合掌