なまぐさ坊主の真面目な闘病記⑩ー白衣の天使にかこまれて!

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 今回の入院は僕にとって人生初めての経験。だから看護婦さんの看護を受けるのも、もちろん人生初めての経験。入院患者と看護婦さんが恋に落ちて結婚したという話をよく聞くけど、その理由がよ~くわかった。とにかく優しく、献身的。奥さんには悪いけど、奥さんにもこんなに優しく世話してもらった記憶がない。病気で精神的にも弱っている時だ。痰を吸引するなど、汚い仕事も嫌がらずに献身的な看護をしてくれる人に惹かれないわけがない。

 写真は金沢医科大学のホームページから借りてきた、僕がお世話になった9階西ナースステーションのスタッフの方々。残念ながら現在のスタッフとは違うので、僕がお世話になった看護婦さんは一人しか写っていない。

 たくさんの看護婦さんにお世話になったが、特に印象に残ったのが5人。もちろん全員若い看護婦さんだ。(笑)

 目の綺麗なM・Nさん。最初のうちずっとマスクをしていたので目しか見えなかったけど、魅惑的な目に心を惹かれてしまった。マスクをとったらガッカリかなと思っていたら、あにはからんやの超美人。僕が若くて独身だったらプロポーズしたかも知れない。たぶん断られるだろうけどね。前にも書いたけど、僕が「吸引の鬼」と渾名したA・Tさん。彼女には本当にお世話になった。それから、おっとりしたY・Yさんは優しさのかたまりみたいな看護婦さん。まだあどけなさの残るH・Kさんは脈を測る時にきっちり1分間僕の手をとってくれる。たぶん4月にデビューしたばかりの新人さんだね。

 面白い看護婦さんもいる。声が出ないのでジェスチャーか筆談で話をするから、トンチンカンなことが起こる。K・Nさんが「森田さんのお寺は古いんですか?」と聞いたので、「創建して430年くらいかな」と答えた。「何代目ですか?」と聞いてきたので、「35代目だよ」と答えた。もちろん指でね。そしたら、「へ~、430代目ですか」となっちゃった。日本最古の飛鳥寺でもあり得ない。N・Fさんからは「森田さんのお寺は何宗?」て聞かれたので、口の動きで伝えようとしたけど、伝わらない。そこで、洗面台の鏡に指で日蓮と書いた。そしたら、「ヒレンという宗派あったっけ」だって。ニチレンだよ、ニチレン。看護婦さんは人の死にかかわる仕事なんだから、もっと宗教教育をしなきゃ駄目だね。

 そんな彼女たちの献身的な看護を受けて、僕たち僧侶もただ葬式や法事をしているだけでなく、もっと人の悲しみ苦しみに寄り添う活動をしないといけないと、心から思った。「看護婦さんは給料もらってるし、それが仕事だから当たり前だ」という声が坊さん達から聞こえてきそうだけど、僕たち僧侶の本来の仕事は人の悲しみ苦しみを癒すことだし、おまけにお布施をもらってるぞ。目覚めよ坊さん!!!!(つづく)

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