立正安国・お題目結縁運動 いのちに合掌

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枯木祖師のきんたく山

金澤山 妙應寺

【Kintakusan Myooji】

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なまぐさ坊主の真面目な闘病記④ーこっ、こっ、声が出ない

 午後7時5分、手術室を出てICUへ。ICUはスマホ厳禁と言われたけど、看護師さんを拝み倒して自撮りさせてもらい、インスタとFBで無事生還をみんなに伝えた。

 ベッドの横に奥さんと心配して駆けつけてくれた長男夫婦がいる。「わざわざ来てくれて、有り難う」と言おうとしたけど、こっ、こっ、声が出ない。そうだ、カニューレを入れている間は発声出来ないと、手術前に言われていたのをすっかり忘れていた。小学校の時に習った人体の構造を思い出してみる。発声の時には肺から口に向かって空気が送り出され、それによって声帯が振動して声になる。声帯の下に穴が開いてるから、そこから空気が漏れて声帯を振動させることが出来ない。僕は5日間声を失ってしまった。

 話すことが出来ないというのは実にやっかいなものだ。障害を持った人々の苦しみを体験し、今までの障害者への理解が如何に観念的で浅薄なものだったかを痛感させられる。身振り手振りや口の動きで意思を伝えようとするが全然伝わらない。結局、筆談という手段をとるしかないが、書くのに時間がかかり歯がゆくて仕様がない。連休に入った3日には尼崎から次男と孫が来てくれたが、孫と話しが出来ない。辛い。

 へんなところに穴が開いていると声が出ないだけじゃなく、空気が漏れるから鼻もかめないし、うんちをする時に気張ることも出来ない。(笑)

 

 スピーチカニューレというものがある。先端に弁がついていて、発声時に空気を声帯のほうに送って発声を可能にするものだが、これに切り替えるにはいくつか条件がある。酸素吸入しなくてもSpO2(動脈血酸素飽和度)が保たれており、痰や誤嚥が少なくないと駄目だ。僕の場合は尿道カテーテルこそ一日で外されたものの、痰はやたらに出るし、唾液が気管に入り込む可能性も大で、酸素吸入も4日ほど続いた。

 SpO2は血液中のヘモグロビンが運べる最高の状況に対し、実際にどの程度まで酸素を運べているかを意味しており、96%以上ないと駄目なんだって。パルスオキシメーターって知ってる。指にはさむだけで、このSpO2を計れる便利な機械だ。僕の場合、5月7日に酸素吸入しなくてもSpO2が97%になり、午前10時にやっとスピーチカニューレを着けることになった。ようやく話せるようになる。

「さあ、声を出してみてください。」

 先生に促されて声を出そうとするが、声が出て来ない。えっ、ひょっとして。手術前にK先生から、「膿を排出するために声帯の近くを触るので、声帯を痛めることが絶対に無いとはいえません」と言われている。もしかして、という不安が脳裏を横切った。42年間教師として教壇に立ち、話すことを仕事として来た。こちは今年3月に定年を迎えたのでいいが、僕には坊さんという大事な仕事がある。坊さんが声を失ったら致命的だ。ガ~ン。

 少し焦りながら、もう一度腹の底から声を出してみる。出た~。痰がつかえてガラガラ声の上に何ともか細いが、声が戻って来た。ほっと胸をなで下ろす。

 ところが、このスピーチカニューレは弁がついているためか、かなり呼吸が苦しい。せっかく気管切開して呼吸が楽になっていたのに、最初の状態に戻った思うほどに苦しい。痰の排出が上手く行かないからみたいで、結局夕方にはもとのカニューレに戻した。というわけで、このあと10日間ほどは、寝る時にはもとのカニューレに戻し、昼間に存分に喋って、夜はだんまりという日が続くことになった。(つづく)
 

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