文永11年(1274年)5月17日、日蓮大聖人身延に御入山されました。
庵が完成するまでの1ヶ月余りの間、宗祖は弟子、日朗、日向を従えて、
甲州石和の地に教化巡遊する折、亡霊と成って苦しんでいた鵜飼勘作を
救う。やがて勘作の魂がこの地に現れた時、義貞とキコリの爺さんよりキ
ビのオカユの供養を受け、そのお礼にと、南無妙法蓮華経の御題目をお
唱えしたことが、常光寺発祥の因縁になっております。
1580年春、身延山久遠寺大17世法主慈雲院日新上人常光寺開山とな
る。明治の初期まで常光寺本堂は花天井で荘厳な建物でありましたが、
明治30年火災にあい悉くを焼失してしまいました。
また、七面堂は江戸中期、九州の藤城という行者が身延七面山にて修行
し感得した七面大明神を滝山の御殿滝岩盤の上に御奉りしました。爾来、
明治の中頃迄霊験あらたかな七面様には近村の信仰に生きる善男善女
が参拝し、祭典は常光寺住職、近村の日蓮宗の寺を始め多くの修行僧、
修行者が滝にうたれ南無妙法蓮華経の御題目を唱え盛大に行われたそ
うです。やがて後継者がなく、明治25年、秋の大風で御堂が崩壊したとき、
御厨子と御神体が常光寺に移りました。
鳩(あつむ)る所の功徳、恭しく仏祖三宝に献供し、恩山の一塵徳海
の一滴に報謝す。総じて願わくは一天四海皆帰妙法広宣流布大願成
就なさしめ給え。