【Episode of 檀信徒】第1回「毎朝のお経」

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【Episode of 檀信徒】では、
檀信徒の方とお寺との交流の中で
発見されたエピソードを
ご紹介していきます。

第1回目は、「毎朝のお経」です。

ある日、あるお檀家さんから
相談を受けました。

「毎日お経をあげてるんですが、
なかなか思うように出来ないんです」

詳しく聞くと、どうやら途中で
口がまわらなくなってしまうんだそうです。

どんなふうにお読みになるのかな?と思い、
本堂で実際に読んでもらってみました。

なるほど!すぐ原因がわかりました。
読むスピードが速すぎるのです。

なんでも、仕事に行く前の
朝の30分しか時間がないから、
焦ってしまうんだとか。

それで口がまわらないほど
速く読むようになってしまったんですね。

30分という時間のわりに
お経の量が多すぎるみたいだったので、

「少し量を減らして、
その分ゆっくりにしてみたらどうでしょう」

と、提案したところ、

 

「そういう考えがありませんでした…」

と、驚いていました。
少しの時間しかないけど、
ご先祖様のためにたくさんお経を
あげてさしあげたい、と思っていたんだそうです。

なんてまっすぐな理由なんでしょう。

「では、口がお経に慣れて
スピードが速くなってもついていけるようになるまで、
お経をひとつずつゆっくり練習するつもりで
読んでいきましょう」

と、改めて提案しました。

これなら、いつか短い時間でもたくさん
お経を読めるようになります。

木柾(もくしょう)もあるらしいので、
打ち方も少し練習しました。

最初は方便品(ほうべんぽん)から
毎日ゆっくり読むことして、

一か月経ったら、また報告しに
お寺に来てくれる約束をしました。

理想に届くまで時間はかかりますが、
こうやって努力する過程も
ご供養になるんだろうなと思います。

毎日お経をあげる時間が
​ゆったりとした
楽しいときになりますように。

それではまた(^^)/

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