【プチ法話】のコーナーでは、
お釈迦さまにまつわるお話を
紹介していきます。
第1回目は
「愚鈍(ぐどん)な男と一本のほうき」です。
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お釈迦さまの弟子に、
パンタカという名前の
愚鈍な男がいました。
パンタカは物覚えが悪く、
自分の名前も忘れてしまうほどでした。
お釈迦さまのお話を聞いても
もちろん理解できません。
あまりのていたらくに、
一緒に修行していたパンタカの兄は
弟の修行をやめさせて
実家に帰そうとしたくらいです。
お釈迦さまはある日、
彼に一本のほうきを与えて
「塵を払い、垢を除く」
という短い言葉を教えました。
パンタカはこの言葉を繰り返しながら
毎日毎日ほうきで掃除をしました。
何年もそうして掃除をしているうちに、
彼はついにさとりを得たといいます。
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このパンタカという人は、
『天才バカボン』の人気キャラクター、
「レレレのおじさん」のモデルとなった人です。
パンタカはもの覚えが悪く
理解力も低かったのですが、
そんな彼でも、
お釈迦さまに導かれて
自分にできることを毎日コツコツ続けたことで、
頭の良い人でも辿りつくことが難しい、
さとりの境地に至ったのです。