宮島千畳閣法華経施餓鬼供養第十八回

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 平清盛が一門の平安を願って法華経二十八品を含む写経三十三巻を納経した厳島神社。
豊臣秀吉が朝鮮出兵に関わる戦没将士を慰霊するために千僧供養を発願し、建立を命じながら志半ばで没した千畳閣、遠く源平の時代から戦国時代、そして長い歳月の間に非業の死を遂げた数多くの人々がいます。その精霊を供養するには”法華経”に勝るものはないのです。
 大願寺では、千畳閣の本尊だった木造釈迦如来坐像(重要文化財)、その両脇を守っていた阿難尊者像と迦葉尊者像(ともに重要文化財)、五重塔の本尊だった三尊像を祀っています。
声明は、仏さまへの崇敬。そして国の平和、世界の平和祈願。を念じて唱えます。
 身延山が発行した「日蓮聖人傳絵巻」に掲載された絵図によると・・・七面天女は、厳島神社の弁財天の化身であり、さらに、秀吉から二度の朝鮮出兵の大将を任ぜられたのが法華経大信者だった武将:加藤清正公だったのです。
そして、第一回法華経施餓鬼供養音楽大法要が平成8年5月23日、幾百万の霊が待ち望んでいたかのような不思議な力に後押しされ、全国から140人の僧侶が出仕して営まれました。千畳閣に掲げられていた大曼荼羅ご本尊は、日像上人が納めたものです。
 
 朗々とした声は千畳閣の高い高い屋根を突き上げ、広い広い空間に広がります。ゆるりゆるりと流れる時間。次第に「心の垢や埃」が洗い流され浄化されていくようです。全てが穏やかで、安らかな、声明に溶け込んでいきます。。
散華行道では色とりどりの華葩が散華され風に舞い、声明が堂内に響き渡り心を満たして行きます。
平成25年11月6日、日蓮宗声明師約30名が出仕して第十八回法華経読誦施餓鬼法要が営まれました。
法華経有縁の道場において法華経を読誦し、団参の檀信徒・参詣の人々と共にお題目をお唱えできることは、諸天善神や日蓮聖人もお慶びのことと思います。
この場でお唱えする法華経、お題目の功徳は限りないもので、戦争で亡くなられた方々はもとより一切衆生六道法界の萬霊に巡らすものです。
昨年同様、震災で亡くなられた方のご回向供養もいたしました。
声明を唱えながらの『散華行道(さんげぎょうどう)』では散華:蓮の花びら(五色の紙)が風に舞います。

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