此れは魂魄佐土の国にいたりて…
皆さん、こんにちは!
研修員の渋谷修大です。
いよいよ冬の寒さになりつつある、今日この頃。
皆さんはいかがお過ごしでしょうか。
私達布教研修所では、先日14~16日の3日間に新潟県、そして佐渡島へ所外研修へ行って参りました。
初日は番神堂とその番神堂を護持していらっしゃる妙行寺様、本山妙法寺様、法福寺様、そして角田山妙光寺様を参拝させて頂きました。
番神堂様は、日蓮聖人が佐渡流罪赦免の折、八幡大菩薩のご加護によって無事本州へ上陸出来たことを感謝し、八幡大菩薩を中心に三十番神を勧請されたことが縁起となっています。
現在のお堂は明治4年の大火で焼失したのち、再建されたもので、本堂外壁に彫刻された一匹の蝶を見つけられた人は幸せになれるそうです。御参拝の折には是非探して観て下さい。
妙行寺様は、御住職の田村上人が住職承認から三ヶ月目とご多忙の中、ご開帳して頂きました。妙行寺様には、法界定印を結んだ釈尊像や、足を組まれた日蓮聖人像など、珍しい御像が安置されています。
本山妙法寺様では、「全国五十七箇本山めぐり」を満願成就された篤信の檀信徒の方々に諸堂案内をして頂きました。
妙法寺様でお祀りされている七面大明神の伝説は、所謂七面山での伝説とは違ったもので、非常に興味深いものでした。
法福寺様では、獅子吼の日蓮聖人像を護持されていますが、この聖人像が地域の子供達から「待ったのおじさん」と呼ばれ親しまれていることをお聞きしたときは、人情に厚かった日蓮聖人らしい親しまれ方だと思いました。
妙光寺様では、永代供養墓の趨りとなった安穏廟を案内して頂き、その後寺院運営についての御講義を小川御院首から賜りました。
KJ法等を用いて体系化された寺院運営は明快で、私もいつかお寺をお預かりする立場になったときは、是非参考にさせて頂きたいと思います。
二日目には、佐渡島へ渡り、根本寺様、妙照寺様、妙宣寺様の佐渡三大本山を中心に、日蓮聖人佐渡銅像や実相寺様、本光寺様を参拝させて頂きました。
根本寺様は、日蓮聖人が『開目抄』を述作された塚原三昧堂をゆかりとする本山ですが、創立元祖の日成上人以来、境内が開かれ、立派な伽藍が建てられています。
ご開帳の他、三昧堂ゆかりの宝物等も拝観させて頂き、当時の日蓮聖人に思いを馳せる良い機会を頂きました。
妙照寺様では、昨年伽藍が七面堂、経蔵などを残して焼失してしまった現場を拝見しました。
私達は朝のお勤めなどで、「火盗公私 諸縁吉祥」と佛様にお願い申し上げていますが、改めて火というのは恐ろしいものだと再認識いたしました。
妙宣寺様は、佐渡にて日蓮聖人にお給仕され、身延入山以降は遠く佐渡から三度も聖人の元を訪ねられた篤信者、阿佛房日得上人、千日尼御前夫妻が居宅をお寺として開いたという霊場です。
境内には、県内唯一の五重塔があり、国の重要文化財に指定されています。
当初、三重塔建立として寺社奉行に届け出たものの、資金等の問題で一旦は白紙となり、その後五重塔として建立された経緯があるそうです。
ちなみに、建立当時の住職は届け出と異なる、五重塔を建てた科で流罪となったとのことでした。
本光寺様は、日蓮聖人が、日朗上人から佐渡流罪の赦免状を受け取られたという霊場で、そのとき日蓮聖人がお座りになっていたという「赦免石」が遺されています。
最終日は、本行寺様と御梅堂様を参拝させて頂きました。
本行寺様は、佐渡流罪となった日蓮聖人が佐渡の地を踏まれた最初の地松ヶ崎に建立され、日蓮聖人着岸の地となっています。
参拝の折には、聖人がお休みなったと言われるおけやきも拝見しました。
御梅堂様では、松ヶ崎に着岸された日蓮聖人が塚原の配所を目指す際に立ち寄られ、杖とされていた梅の木を挿し、それが成木となったと伝えられる星降りの梅を拝見しました。
今回の佐渡研修を以て、日蓮聖人四大法難の地を全て訪れたことになりました。
このような経験を、わずか半年間で経験させて頂くのは本当に有り難いことだと感じています。
日蓮聖人が私達の為に、法華経、御題目の信仰を弘める中で遭われた苦難に思いを馳せ、私達も日蓮聖人の末弟として、少しでも日蓮聖人にその恩返しが出来るよう、これからも布教伝道の研鑽を積んで参ります。