布教研修所 書記の荒巻です。
布教研修所がある松戸市平賀 本土寺の参道にはお土産などを売っているお店があります。
そして、そのお店の方々に布教研修所は夕飯のおかず等を度々いただいたりして、平賀の街全体に可愛がってもらっています。
最近、そのお店の周りにネコを見かけるようになりました。
参道のお店の女将さんやそのお孫さんがひそかに食べ物をあげたりして地域ネコとして可愛がっているからかもしれません。
私もネコが大好きでそこにいるネコ達を見ていると幸せな気分になります。
そのネコなのですが…!
実は私たちお坊さんは感謝しなくてはいけない存在かもしれないのです。
仏教の経典は中国から船に乗って渡ってきました。
その船の中で経典がネズミに食べられないよう船にネコを乗せていて、経典と一緒に日本に渡ってきたという説があるようです。
ネコのおかげで今、私たちはお経に触れることができているのかも…。
斯くいう私もメスのネコを飼っています。
彼女はエサが欲しいとき、かまって欲しいときだけ私に近寄って来ます。
私はエサを毎日あげて、トイレのお世話、ブラッシングなどお給仕をさせてもらっています。
それでも彼女は、もちろん忙しいときには手はかしてはくれませんし、励ましの言葉を言ってくれるわけでもありません。
そして我が物顔でお寺を歩き回る。
彼女は飼われているのか、それとも私が飼わせてもらっているのか。
そんな彼女ですが私はお坊さんとして彼女を見習っているのです。
先に述べたとおりネコ好き限定かもしれませんがネコを見ていると幸せな気持ちになります。
落ち込んでいても悩みが吹っ飛ぶこともあります。
言葉を使わなくても人の心を動かすネコ。
その技を教えてと言いたくなったりならなかったり…(笑)
そしてお寺でバタバタと落ち着かなくしていると、こっちをじっと見ていたりします。
「何をあくせくしているのだ、修行が足りん」と言っているのか。
はたまた「人の顔色ばかり気にしていて、自分の心を見つめなさい」と言っているのか。
それを見て冷静にさせられます。
ネコに何を見るのか人それぞれ。
ただの動物なのか。悩みを吹き飛ばす神様仏様なのか。お経を守ってくれた守護者なのか。
それとも教えをくれる存在なのか。
見方を変えると何事も自分を高めてくれる存在と見えてくるのが面白い。
ネコに限らず自分を高めてくれる存在はいたるところにいるのです。