潜入!!知られざる、「研修」の実態!?

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皆様はじめまして!(^O^)/
研修員が持ち回りで書いているリレーブログの1週目も終盤戦。
今回は私、木名瀬陽広(きなせ ようこう)が担当します!
 
紫陽花の咲き誇る6月に始まった布教研修所での生活もいよいよ最後の1カ月となりました。
改めて今までの5か月間を振り返りながら、日々担当者が書いている日誌や講義録に目を通してみると、
実に様々な研修を行って来たことを感じます。
 
今日はそんな、日々布教研修所で行われている研修について、少し触れてみようかと思い
ます。
 
布教研修所で行われる研修は大きく分けて、3つに分類されます。
 
・所内研修
・所外研修
・法話実習
 
 
■所内研修
1.座学
研修所に、宗門内外から様々な分野のプロフェッショナルが、研修員の為だけに講義に来
てくださいます。教義や学問だけではなく、法話に必要な発声法や、臨床等、布教に必要
な幅広い分野を学びます。講義を聴くだけではなく、ディスカッション形式の講義や実習形式の講義などもあり、
毎回楽しくも身になる講義が繰り広げられています。
座学の主軸として、第54回では4人の常任講師をお招きしました。
 
■妙倉寺 東京布教所 御主
 山田 恵大先生
 「信行道場読本講義」
 ⇒信行道場読本の講義にとどまらず、僧侶として知っておかなければならない事、
例えば「僧侶はどうして剃髪し、法衣を着用するのか?」等、ふとした時に檀信徒の方か
ら問われるような問いに、法華経や御遺文を典拠として自分の言葉で答えられるよう
になる為の演習を行いました。
 
 
■千葉県 常不軽寺 御山主
 赤堀 正明先生
 「教化学」
 ⇒既成仏教教団がおかれている危機的状況や、本尊やお題目についての解説、葬儀を行
う際の心構え、死後の状態等、典拠を明確にしながら丁寧にご説明頂きました。現代
社会で教化していく上での問題点と、それに対する解決策を斬新な切り口で示して下
さいました。
 
■静岡県 宗長寺御山主
 庵谷 行亨先生
 「仏教学概論」
 ⇒天台教学・日蓮教学に関する御講義を、ディスカッション形式で行ってくださいました。まず、与えられたある用語に対し、研修員それぞれが知っている限りの知識を発表し板書していきます。庵谷先生は我々の知識の断片をつなぎ合わせて明瞭な用語の解釈・説明を完成へと導いて下さいました。
 
■埼玉県 圓受院御山主
 田島 辨正先生
 「布教法」
 ⇒前半はテーマ別に法話実習を行いました。講評を通して各行事やお通夜・年回忌法要
にふさわしい法話の内容を御教示頂きました。後半はディベート演習を行い、論題に
対して肯定派・否定派に分かれ、論題を掘り下げ理論的に意見を主張していく方法を
学びました。
 
2.自主企画
自分たちで布教の方法を考え、実行するのが自主企画です。今年の布教研修所では7月に七夕企画を行い、通行人に短冊にたくさんの御願いを書いてもらいました。後日、その短冊に書かれたお願い事を、願いが叶うように研修所員で御祈祷と読み上げを行いました。
 
 
3.法要実習
普段行われる朝夕のお勤め以外に、法要実習が月1回程度の頻度で行われます。はじめに会行事を決め、法要趣旨から役衆まで事細かに考えながら法要をまとめ作り上げていく実習です。法要を繰り返していくことにより、より美しい所作の習得や法式に関する知識を付けていきます。
 
研修所では誰でも気軽に、直接講師先生に質問する事が出来ます。わからない箇所はわかるまで徹底的に質問する事が出来るのも研修所の魅力の一つなのだと思います。
 
■所外研修
座学が多いと思われがちな研修所での研修ですが、所外での研修も多いです。特に、病棟見学など普段経験することのできない貴重な経験をさせて頂けるのも布教研修所の魅力の1つです。
 
1.寺院参拝
今年の布教研修所では、北は秋田、南は京都で寺院参拝を行いました。寺院ごとに異なる
御本尊や御宝物など、普段なかなか目にすることが出来ないものも間近で拝見させていた
だくことが出来ます。
 
2.街頭布教
本土寺様と龍口様の境内にて、街頭布教をさせて頂きました。教箋の作成や通行人の注目
を集める方法、街頭布教に必要な話法などを実際に学ぶ事が出来ました。
 
3.寺子屋・修養道場・幼稚園研修
幼児~小学校高学年を対象として行われた行事や幼稚園でのお手伝いをさせて頂きました。子供たちの、大人顔負けの発想力や体力に振り回されながら、子供に向けたお話の作り方を考えたり、子供たちに楽しんでもらえるリクレーションを行いました。
 
4.長浜病院研修
精神病棟並びに高齢者デイケアの見学及びリクリエーションを行いました。病棟の見学では、僧侶として必要な「病へのケア」に対する考え方を学ぶ事が出来ました。
 
 
■法話実習
法話実習では、日々研修員の持ち回りで行われる法話練習の他、寺院からの依頼や、
月例金曜講話の前座など、様々なシチュエーションで法話をさせて頂くことができます。初め
は緊張しっぱなしだった私たちも、毎日練習を繰り返すうちに、堂々とした法話になって
きました。
 
 
 
足早に過ぎていく半年間の研修で、どのような事が行われているのか、
なんとなくわかっていただけましたか?
布教研修所での研修は、現代布教に必要なパズルのピースを拾い集めていくイメージです。
布教研修所修了後、学んだ事を組み合わせ、各々が自分が目指す布教というパズルを完成させていくのです。
 
そんな布教というパズルのピースを探し求め、今日も黙々と研修生活を送る木名瀬のブログでした。
最後までお読み頂き、ありがとうございましたm(__)m

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