「彼岸」
彼岸とは、日本の雑節の一つで、春分・秋分を中日として、その前後各3日を合わせた各7日間がお彼岸といいます。
この期間にお寺等で行われる仏事が「彼岸会」です。 最初の日を「彼岸の入り」、最後の日を「彼岸明け」と呼びます。このお彼岸の期間の、中日にはご先祖様に感謝し、残る6日は、悟りの境地に達するのに必要な6つの徳目「六波羅蜜」を1日に1つずつ修める日と決めて仏道修行をするのが本来のお彼岸です。何故ならば「彼岸」とは悟りを開いた人だけが行くことが出来る世界だからです。
私たちの暮らしているこの世界は「此岸」と言って、言葉を変えると「娑婆」です。これは迷いや苦しみに満ちた世界です。俗に、「娑婆増」という言葉がありますが、これも善悪考えず欲のままに生きていて本質を見極めることが出来ないことを指しているようです。
いま私たちが生きているこの「娑婆・此岸」の世界の善悪は、悟りを知らない私たち「娑婆増」の作った幸せの世界です。あい対して「彼岸」の世界は仏さまに見えている本当の善悪・幸福です。
仏さまと同じ幸せを見極めることは「法華経」を知り、お題目をお唱えする事から見つけ出す事が出来るとお祖師様はお示しになっておられます。
【光耀寺 大原廣昭】