今月のおはなし 第11回

「春眠暁を覚えず」と申しますように、春の眠りの心地良さは格別です。
毎朝暖かい布団から抜け出すのに苦労をします。目をこすり眠気と闘いながら起き上がり一日をスタートさせます。私たちには眠気に打ち勝って起床し、取り組まなくてはならない日常があるのです。
 同じように私たちは皆、仏様としての種を抱いています。しかしながらその種は眠っているかのように活動をしていません。
 花の種に水を注ぐとやがて芽が出るように、私たちが抱く仏様の種もお題目と言う水を注ぐことによって目覚め、仏様の芽が出て成長し、花が咲き、仏様としての実がなるのです。
 私たちは本来仏様の弟子・仏様の子・仏様の従者です。仏としての役割・使命を全うするべく尊い存在なのです。
 毎朝眠気を押しのけて起き上がるように、私たちがせっかく抱いている仏様の種が芽吹くよう、お題目の水を注ぐ信仰生活を送ってまいりましょう。

【本成寺 天野行淳】

一覧へ