日頃、私達がお唱えしている「南無妙法蓮華経」のお題目。「妙法蓮華経」はお
経の名前と知っているけど、他の宗派でも聞く「南無」ってなに?と思った事は
ないでしょうか。
南無とは、サンスクリット語でnamas(ナマス)の音写です。様々な訳があり
、信従や敬礼などと訳しますが、帰命の訳が最も多く用いられます。帰命とは一
般には帰依の意で、自己の寄り所とし心より従い、信じ敬うことです。
ちなみに、よく耳にするインドやネパールで使われる「ナマステ―」という挨
拶は、「ナマス」と、あなたを意味する「テー」を合わせて、「あなたを敬いま
す。尊敬の対象としてあなたを認識します。」という意味になります。
日蓮聖人は「釈尊の因行果徳の二法は妙法蓮華経の五字に具足す。 我等此の五
字を受持すれば、自然(じねん)に彼の因果の功徳を譲り与えたまふ。」と説かれて
おり、妙法蓮華経の五字には、久遠実成のお釈迦さまの因行と果徳のすべてが集
約されているのである。従って信心を持って唱えるならば、釈尊の因行・果徳を
譲り与えられるのであると示されております。そのお釈迦さまの功徳をいただけ
る「妙法蓮華経」の五字に、帰依しますという「南無」を付け「南無妙法蓮華経
」と日蓮聖人は唱え弘められました。そして、それが今私達がお唱えするお題目
「南無妙法蓮華経」なのです。 (惟)