雨安居

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5月16日、ここ東海地方も梅雨入りとなりました。
これは統計史上2番目の早さだそうです。
 
これからしばらくは雨がちで湿気の多い日々が続くと考えると気分まで空模様のようにドンヨリと曇ってしまうという方も多いのではないでしょうか。
 
仏教発祥の地、お釈迦さまがいらっしゃったインドにも6月から10月頃に雨が続く季節、「雨季」があります。
日本の梅雨は、どちらかというと、しとしとと弱い雨が続く事が多いのに対し、インドの雨季は、“バケツを引っくり返したような“大雨が降り、年間降水量の殆どが雨季に集中しているほどだそうです。
 
この雨季の間は、普段はそれぞれにあちこちを歩いて托鉢などの修行をしていたお釈迦さまやその弟子たち、インドの仏教修行者も、祇園精舎のような建物のあるところに集まり、「安居(あんご)」と呼ばれる屋内での修行の期間を過ごしました。
 
雨季に外を歩くと、雨で茂った草の下、暖かさで動きが活発になった虫や蛙、蛇といった小動物をうっかり踏み潰しかねません。
そんな殺生をしてしまうのを避けるために「安居」がおこなわれたのです。
 
現代に生きる私達は、雨だから、梅雨だからといって家の中に籠るというわけには、なかなかいきませんが、たまには自分の足元、踏み出そうとしている靴の下を気にしてみませんか。
小さな同居者が、そこにはいるかもしれません。
 

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