~東北 岩手・宮城方面慰霊の旅~ 神奈川県第一部宗務所団参
平成28年11月8日から10日までの2泊3日の日程で神奈川県第一部宗務所(篠原顯祐所長)主催の団体参拝、東北 岩手・宮城方面慰霊の旅が開催された。
この度の団参の主な目的は東日本大震災において多大な被害を受けた寺院である岩手県釜石市仙寿院(芝崎恵應住職)、同県大槌町蓮乗寺(木藤養顕住職)、宮城県石巻市法音寺(谷川正明住職)を参拝し、東日本大震災物故者の方々に供養の誠を捧げることであった。
1日目は釜石市仙寿院と大槌町蓮乗寺を参拝した。
仙寿院では御開帳、法要の後、芝崎住職によるテレビには流れることのなかった津波の映像を見ながらの実際に見た震災についての話があった。
参加者は大きな恐怖と物故者や遺族の大きな悲しみを共感し、涙を流しながら、拝聴していた。
また芝崎住職は当時、お寺を被災者に開放していた頃の話をした。
「辛い時に仏様に寄り添える方、篤い信仰を持っている方々はどんなに苦しくても平静を保てていました。是非、どんなときでも信仰を強く持ち続けて下さい」この言葉に参加者は改めて自らの信仰について、考えさせられた。
引き続き、大槌町に到着した参加者は大槌町蓮乗寺において御開帳、法要。
蓮乗寺は震災により炎上してしまったが、この数年間で見事な本堂を建立し、つい数日前に落慶式を行ったばかりであった。
そのようないそがしい中でも、木藤住職はこの度の団体参拝を快く受け入れ、参加者に「皆様のお陰で本当に立派な本堂を再建することが叶いました。ありがとうございます」と感謝を述べられました。
2日目、日の出頃、参加者は宿泊地である三陸花ホテルはまぎく敷地内より太平洋向かい、震災物故者の方々に思いを寄せ、朝のお勤めを行った。
その後、バスに乗り、石巻市法音寺に到着した一行は昼食後、谷川住職の案内で境内地の高台へ移動し、石巻市を見渡しながら、津波による影響を受けた地域についての説明を受けた。
その後、本堂に移動し、御開帳、法要。御宝前には大震災で命を落とされた法音寺檀信徒のお位牌が祀られていた。参加者は一人ずつ心を込めて焼香、供養した。
本堂での法要の後、神奈川一部青年会の有志が発起人となり、法音寺飛び地境内に建立された慰霊塔「久遠の祈り」に移動し、震災当日を思わせる、冷たい風が吹き荒れる中、参加者は手を合わせた。
また法音寺では谷川住職の計らいにより被災後復興した地元の魚介類や名産品を買えるお店が数店、出張販売していた。参加者の一人は「どこもある程度復興していましたが、実際に被災地を見ながらご住職達のお話を聞くことで、改めて震災の怖さを知ることができました。この経験を糧にこれから物や心の面も備えていきたいと思います。」と述べた。