わが妙蔵寺のある伊勢原市は、昔、相模国と呼ばれていました。
(相模国とは、現在で言うと神奈川県の川崎市・横浜市を除いた地域だったそうです。)
相模国は、645年の「大化の改新」で、日本の国の制度が改められ、
成立したと言われています。
相模国には、その時代から続いている「相模国国府祭」があります。
現在もほぼ完全な形で「国府祭(こうのまち)」が継承されているのは極めて稀で、
大変貴重な祭典として「神奈川県指定無形民俗文化財」と
なっています。
○国府祭(こうのまち)とは・・・
大化の改新以後、都から派遣された国司は、その国の有力な寺社を参り、その国の平和と繁栄を祈ったそうで、
相模国の国司は、相模国六社に参詣したそうです。
時代がたつにつれ、国司が六社巡拝することは難しくなり、
国府近くの総社に、五社から神輿を以て各神社の御分霊を
集めて、そこで祈願をするようになったそうです。
これが国府祭の始まりとも言われています。
相模国の六社は、
一之宮・・・寒川神社(寒川町宮上)
二之宮・・・川匂(かわわ)神社(中郡二宮町)
三之宮・・・比々多神社(伊勢原市三ノ宮)
四之宮・・・前鳥(さきとり)神社(平塚市四之宮)
一国一社・・・平塚八幡宮(平塚市浅間町)
総社・・・六所神社(大磯町国府本郷)
毎年5月5日、相模国国府祭が六社合同のお祭りとして行われていますが、
なかなか行くことは難しく・・・
三之宮の比々多神社の近くに住んでいて、
今でも三ノ宮だとか二宮だと地名がそのまま残っていることは
すごい!一之宮から巡ってみたい!
という以前からの思いが、
相模国府祭を知ってからさらに奮い立ち、
坊さんでも相模国に住んでるんだから、
相模国の神様に挨拶に行くのも大切だよな!
そうだ!国司になった気分で巡拝しよう!
国司には悪いけれど、車で六社めぐりをしました。
相模国六社では、参拝記念として、
色の異なる御幣からなる「守公神」を
集めることができます。
全部そろえると相模国の神々の限りない御守護と
お導きが授けられるそうです。
そしてさらに国府祭の際には一之宮から総社六所神社が一同に集まり、
平安時代後期に相模国の国府が置かれたといわれる「神揃山」にも行ってきました。
神揃山には、一之宮から総社六所神社の6つの神体石が鎮座していました。
厳粛な空気が漂った場所でした。
地元の歴史を知ることは、地元の特徴や国の動きがどう地域に影響を及ぼしたかなどがわかってきます。
また、歴史の勉強を通して、現在を生きる知恵や歴史の流れをつかめるかもしれません。
みなさまも、是非、六社めぐりをやってみてください。
果たして、毎年5月5日の相模国国府祭にはいつ行けることか・・・