命の洗濯

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吉田俊栄の独り言          平成28年6月に発行されたものです。
 
5月◎日(天下泰平の日)   俊栄 式根島で命の洗濯!
 お付き合いしている石材店のみなさんと式根島へ同行させていただきました。みなさんはお墓の工事、私は釣り、世間さまから見れば(苦笑)どう割り引いても「釣りバカ日誌」の浜ちゃんのコピーに写るはずです。
 本土にはないおおらかな空と海、穏やかな島の人たち、時計も携帯電話もその存在を忘れてしまうほどのーんびりと過ぎる1日、まさにスローライフとはこのことです。
 島の人口は400人余り、小さな共同体です。地元の人たちを見て感じたことは「平和に共存していくためには、人間関係はグレーがいい」ということ。潔癖で正義感バリバリ振り回してしまうと苦しくなってしまう。人間が集まれば、個性の合わない人は必ずいるわけで、だからといって自分の意にそぐわない人を排除しようとしても自分がつらくなる。彼の個性、彼女の価値観を受け入れることで共同体が成立していく。まさに「智慧」ですね。困ったとき、つらいとき、お互いさまだよね~の気持ちで生きていくことかなあ、自分だって完璧ではありませんから。
 元気な魚たちと出会えました。石材店の社長さんは初めての磯釣りで43センチ、1,5キロのメジナを釣り上げて感動! (周囲の者はそのセリフを暗記できるくらい毎日自慢話を聞かされておりました)
 この旅行中、家内は子供たちに「お父さんは家族を見捨てて家出したんだよ。ひどいよね!」と吹聴し続けて、しっかり反お父さん体制の地盤を固めていました。(グレーが良いと思うのですが・・・・・・・)
 
◎月○日(晴れ)  思い出を大切にしよう!!
 家内の提案で、撮りためたビデオカセットをDVDにダビングすることにしました。撮りためたカセットはもう再生できなくなっていたのでタンスにじっ~いっと眠っていたのです。ですから映像を見るのはほとんどが初めてで、まさに新鮮度100%!長男ヒロアキが15歳だから15年分の思い出がDVDに詰まっていました。「え~こんなことあったけ~」の連続、人の記憶などはホント当てにならないものです。
 日常の平凡な風景がほとんどですけれど、笑ったり、泣いたりしている姿がこころの中に沁み込んでいくのだなあ、そこに家族が一緒にいるだけで思い出は成立するのだなあとしみじみ思いました。
 子供たちも、スマホをいじりながらもチラチラ観ています。きっと自分が赤ちゃんの頃を見て、恥ずかしいと言いながらも何かを感じ取っているようです。私は普通の顔をしつつも、心の中は熱いものがこみ上げていました。(君たちをあんなに愛していたんだね~)
 子供たちに常々言うことは「中学、高校6年間あっという間だぞ~だから思い切り青春しろよ~」と。時間は巻き戻せませんから、今この時、を大切にしてほしいとの親心。
 我々は、いつの日か「命のふるさと」に帰るときを迎えます。持っていけるものはただ一つ「思い出」という思いだけ。つらかったこと、悲しかったこと、そのすべての思いを「楽しい人生だったなあ」の一語で締めくくれたならば、「サイコー!!」ではないだろうか、と思います。
 
6月○日(梅雨入り) メダカの学校は・・・
 去年から裏庭で水蓮の鉢を置きました。ボウフラ対策を兼ねてメダカを放流したんです。春から産卵シーズン、「よっしゃ、家族を増やしてやんぞ~」と気合を入れた結果、とんでもないビッグファミリーになってしまいました。1ミリにも満たないチビたちは実にたくましく成長しています。観ていると、「生きてやるぞ~」と周囲を押しのけて餌を食べる子は生き残りますね。「おまえぇー、弱い子に餌分けてやれよなあ」などという情けの通用しない世界が「自然」なのだと。人間の世界に置き換えれば、日本という国は、平和で豊かですから必死にならなくても、何となく生きていける社会。だからこそ「生き抜いてやるぞぉ」という覚悟が必要なのではないかなと思います。
 

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