私は仏道の世界に飛び込んだときいろいろと馴染めない言葉に苦労したものでした。
僧侶の説教の時には特にそのことを感じました。衆生、凡夫、おそっさん(日蓮聖人のこと)などなど・・。知っていて当たり前であるという調子で僧侶の口から繰り出される言葉に始めは戸惑ったものです。もちろん知らないことを威張るべきではありませんですし私が言葉を知らなかっただけなのですが、とにかく私のようにお寺に行ったとき聞きなれない言葉に困ることがある方はいるかもしれないので微力ながら仏教を理解する際に役立つ言葉を解説していければと思います。
凡夫(ぼんぷ)・・ぼんぷという言葉は世間で使われなくもないのですがそれでも日常会話で飛び交う言葉でもないと思います。凡の対義語は聖です。ですので聖人ではない人々のことでありおおいに仏様の教えを学び実践していくべき段階にいる者を凡夫といいます。もっと具体的に言えば、得意になれば心がおごり失意になればがっかりする。人が丁寧にすればつけあがるし人が軽蔑すれば腹が立つ。熱を加えれば膨れあがり冷やせば縮むというぐあいに、いつもその時の境遇事情次第によって安心を得たり不安になったりする様子の人を凡夫といいます。一般的には人格の完成者としての仏という語の対比語として、未完成者の我々という意味で用いられているのだと思います。