妙法蓮華経の持久走 三周目 常不軽菩薩品第二十

 お釈迦さまが得大勢菩薩に、自身の過去世である常不軽菩薩について説かれます。
 遠い過去に常不軽と呼ばれる菩薩さまがいました。常不軽菩薩さまは道行く人々に「私はあなた達を深く敬い、軽くしません。なぜならば、あなた達は後に修行し佛となるからです」と言うのです。この言葉を聞いた人々は、見ず知らずの僧に「佛となる」と言われても信じることができません。時には人々は怒り、不軽菩薩さまを罵ります。そして杖や石で撃とうとすると、不軽菩薩さまは遠くへ走り避けますが、そこから人々に「私はあなた達を軽くしません。なぜならあなた達は佛となるのです」と唱えるのです。この「軽くしません」の言葉から人々は不軽菩薩と名付けたのです。
 不軽菩薩さまの命が終わろうとした時、虚空より法華経を聞くことを得、六根が清浄となり、寿命が延びました。そしてあらためて法を説き、人々を導いたのです。
 不軽菩薩さまは、お釈迦さまの過去世であり、「法を説くことがなかったら、佛と成ることはできなかった」と説かれます。
 「私はあなたを敬います。あなたは佛と成るのです」と合掌することは「但行礼拝」という重要な修行です。法華経を修行する人は、周囲の人々を大切にする日々が重要なのです。

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