妙法蓮華経の持久走 三周目 見宝塔品第十一

 見宝塔品までで、法華経の説法を聞くほとんどの弟子たちに、成佛の保証が授けられました。そしてお釈迦さまが亡くなった後に、法華経を布教することを、お釈迦さまは願われました。

 その時に地下より、多くの宝に飾られた巨大な塔が現れました。そして塔の中より多宝如来という佛さまが、お釈迦さまの説く言葉が真実である、と述べられます。
 大楽説という名の菩薩さまがお釈迦さまに、宝塔が現れた意味を質問します。お釈迦さまは、法華経が説かれる時、多宝如来さまが宝塔とともに現れ、その説法を保証する、と説かれます。
 大楽説菩薩さまが、多宝如来さまに会うことを願うと、お釈迦さまが宝塔にのぼり、多宝如来さまと並んで座られ、弟子たちを虚空に引き上げられます。
 お釈迦さまが、みずからの死が近いことを宣言するとともに、法華経を布教するようすすめます。法華経を信じ、布教することは大変難しく、それは大地を遠くに放り投げたり、燃えさかる炎に飛び込んでも焼けないことよりも難しいと説かれます。
 この法華経を信じ持続することは、非常に難しいのです。もしも暫くも持続できたならば、お釈迦さまをはじめとするたくさんの佛さまが歓喜し賞嘆されるのです。ですからお釈迦さまの亡くなった後、法華経を信じ、人々に説きなさいと願われるのです。

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