妙相山 本立院

　前回の人記品第九をへて、法華経を聞くほとんどの人に成佛の保証がされました。つまりほとんどの人々が、すでに菩薩になっていることになります。
　お釈迦さまが、薬王菩薩をはじめとする八万人の菩薩たちに、法華経修行の心得を説かれます。
　お釈迦さまの亡くなった後も法華経を大切にできる人は、必ず未来世に成佛できるのです。このような人々は、過去世に多くの佛さまのもとで修行を重ねてきたのです。人々を導くという大願をおこし、あえて人として生まれたのです。ですから菩薩たちに、お釈迦さま滅後の法華経布教を託されます。
　法華経はお釈迦さまの教えの中で、最第一の教えであります。またお釈迦さまが過去に説き、今に説き、未来に説く教えの中でもっとも難信難解であります。
　そのような法華経を説く時、お釈迦さまも多くの怨嫉にあいました。ゆえにお釈迦さまが亡くなった後、法華経を弘めようとすると、その人にも多くの怨嫉があるでしょう。であってもお釈迦さまは、滅後の布教を願われます。
　もし滅後に法華経を布教する人がいれば、必ずその人を支える人々を遣わすとお釈迦さまは説かれます。また刀や杖で打たれたり、瓦や石を投げつけられることがあっても、法華経を説く人を守る人を遣わすとも説かれます。
　お釈迦さま滅後の法華経布教は、大変な困難が待ち受けています。だからこそ法華経布教をお釈迦さまはの願われ、衛護を誓われるのです。