二天堂⑬

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開催日:2018年12月08日

二天堂に安置されている二天王は、東は持国天、西は毘沙門天です。これは運慶、快慶師弟の真刻であったと伝えられています。永禄十二年(一五六九)檀越の坂井入道常真が、第三祖日珖上人のもとを訪れ、
「泉州高倉に二天王の木像がある。まことに素晴らしい尊像であるが、兵乱にあい伽藍が焼失したため、荒草にうち捨てられ、守る者もない。これを頂妙寺に移さないか」
と告げました。日珖上人は常真とともに泉州に向かい、二天王尊像を頂妙寺に迎え、楼門に安置しました。
その後、常真と日珖上人が他の地で会った時、二天王のことにお礼を言うと、常真は大いに驚きました。常真は長く紀州に在って、先日京に帰ったばかりなのです。ですから常真は、二天王のことを全く知らない、と言うのです。
人々は二天王が頂妙寺に来ることを望み、神通力をもって、奇瑞をなしたと話し合いました。

追記
天明八年一月二十九日、天明の大火により頂妙寺は全焼しました。この際、楼門も全焼しましたが、篤信のものが、二天王尊像の御首のみを引き抜き、災禍を逃れました。寛政元年第二十九世玄収院日賢上人の御時、千人講を作り、浄財を集め、毘沙門天像、持国天像、楼門を再建しました。

十二月八日には、二天王祭が執り行われ、堂内の尊像を参拝することが出来ます。

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