蓮華は花と実が同時になるの?

この記事は最終更新日から1年以上経過しています。
記事の内容やリンク先については現在と状況が異なる場合がありますのでご注意ください。

  金沢はいつまでも梅雨が明けず、24日も明け方に土砂降り。庭に出てみると、20日に続いて蓮の花が開いており、最初jに開いた花はすっかり散って、実に水晶玉のような水滴が乗っていました。 
 蓮華といえば、花と実が同時になるということで、「因果同時」や「因果倶時」といって、衆生から仏になるのではなく、衆生の段階で仏の性質をすでに具えている、ということを表している。と、私もお説教で時々使わせてもらっているのですが、インドにはこんな考え方はなかったようです。
 先日も紹介した植木雅俊先生によれば、花と実が同時になるのは、蓮の花に限ったことではない。生物学的に言えば、すべての植物は花と実が同時になっている。花が咲いたときに雌しべの中に子房ができているのだから。蓮の花は円錐形の実が目立つから、それが強調されただけとのこと。なーるほど。言われてみれば、そうですよね。当たり前のことを、さも蓮華が特別なんだと言っていたわけで、目から鱗でした。
 でもそれで蓮華の価値が下がるわけではありません。「蓮華不染」です。蓮華は汚泥から出てきますが、汚泥に染まることなく、清らかな花を咲かせます。自分もそんなふうに生きたいのですが、もう泥水に浸かりっぱなしで、泥だらけ。いつになったら清らかな花を咲かせることができるやら。先は長いですな。

この記事は最終更新日から1年以上経過しています。
記事の内容やリンク先については現在と状況が異なる場合がありますのでご注意ください。

一覧へ