【くらしかるブッディズム】は、
昔から使われてきた仏教の言葉を
いま再び見つめ直すコーナーです。
第5回目は
「出世(しゅっせ)」
です。
「出世」という言葉には
2つの意味があります。
1つ目の意味は、
「世に出ること」です。
特に仏教語としては、
「衆生を救うために
仏さまがこの世に生まれ出ること」
という意味になります。
2つ目の意味は、
「出世間(しゅっせけん)」の略で
「世俗を離れた仏道の世界」というものです。
「俗世間から出る」ということですね。
この2つ目の意味から、
僧侶のことを「出世者(しゅっせしゃ)」と
呼ぶこともあります。
特に貴族が出家した場合に
この呼び名が使われましたが、
このような人々は昇進が早かったことから、
僧侶が昇進して大寺の住職となることをも
「出世」というようになりました。
現在私達が使っているところの
「より良い地位、身分になること」という意味での「出世」は、
ここからきていると一説には言われています。
しかし本当に大切なことは、
世俗を離れて一生懸命修行した暁に、
今度は世間に戻って来て
仏さまになり代わって人々を救うことです。
お坊さんでもそうでなくても、
「出世」したあと何をするのかが大切ですよね。
それではまた(^^)/
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前の話→第4回「億劫」