合掌
2021年度第1回スタディツアーが終了しました。
曹洞宗僧侶であり、典座ネットを運営されている高梨尚之先生による、
精進料理の講義でした。
当会からは4名参加しましたので、参加者の感想の一部を紹介します。
その1
「精進料理というと「不味い、我慢」といったイメージがあるが、実は食材は重要ではない。むしろどう作り、どう食べるか、そこに精進のカタチがある」、というのが印象的で、教義に沿って明確に食材の規定があるユダヤ教やイスラーム教との差異を感じました。
また、釈尊や托鉢の歴史に立ち返ることで、そもそも菜食主義に拘らない背景が仏教にはあったのだということも学びになりました。
修行で使用する応量器は曹洞宗の僧侶にとって生涯重要なものであるというのも、曹洞宗においていかに食事が大切な作務とされているかということが現れており、日蓮宗の食に対する意識との違いを発見したような気がします。
その2
そもそも精進料理という言葉自体が、実はかなり曖昧なものであるということが驚きでした。
ほかの仏教の習慣などと同様、様々な国や地域の文化や思想を吸収した結果、
今の形になっているということが大変よくわかりました。
確かに、お釈迦様の食についての考え方と、今の「精進料理(と世間でみなされているもの)」には、
かなり違いがあります。
あえて極端に傾倒することなく、両者が成立した事情を深く考えることで、
自分の理想的な食を追求することが可能になるのではないかと思います。