LINE法話「謹賀新年」

皆様、明けましておめでとうございます。
本年は令和6年(2024年)、干支は甲辰(きのえたつ)、一般にいえば辰年ですね!

昨年のウサギ年という可愛らしいイメージから一転して、今年はガラッと変わって強く勇ましいイメージの辰の年となりました。
古来、中国で辰という字は「ふるう、ととのう」という意味があり、植物に例えて万物が伸びることとされています。また辰とは言い換えれば龍のことでありまして、龍というと十二支の中でも唯一の幻の生き物で、権力の象徴と考えられています。

過去を振り返ってみても、辰年には社会的・政治的に大きな変化が起こっています。
1868年の戊辰戦争や1904年の日露戦争。他には戦後初の東京五輪開催、東京スカイツリーの開業も辰年になされています。大きな出来事が多く、いわゆる動乱の年と言われております。

そんな辰、龍にまつわることわざに「登竜門」があります。
前回の辰年、2012年は私が高校三年生の年でした。
1、2年生の時はろくに試験勉強せず部活と遊びに呆けていたため、試験は毎度毎度悲惨な出来でした。ひどい時は1学年300人ほどいる中で、下から20番目くらいの時もあったりなかったり…

高校3年生になり少し進路を意識するようになって気付きます。あ、このままではだめだ。しかし人間、恐ろしいもので「喉元過ぎれば熱さを忘れる」とはよく言ったものです。試験が終わって一週間ほど経つと、あの時の危機感がなくなるんですね。

そしてあれよあれよという間に次の試験がやってきます。さすがに今回は勉強しようと、復習をして試験に臨みました。

するとどうでしょう。見違えるほどの好成績。底辺が定位置であった私が中腹にいるではありませんか。「テストで高得点取って、自分の順位が上がることがこんなに嬉しいだなんて!」

そこからはどんなに忙しくてもその日の復習をするようになりました。勉強に部活に勤しむ毎日。迎えた今後の進路を占う大事な期末試験、自己ベストとなる学年30位に食い込み、山頂付近にまで上り詰めることができました。

しかし大学の入試試験に関しては別ものです。「学力的にも難しいからやめておいた方がいい」「受けてもいいけど多分無理だから現実的な志望校を準備しときな」と言われます…

それでもあきらめることなく挑んだ結果、見事に合格することができました。今にして思えば、あれが私にとっての「登竜門」だったのかもしれません。

あきらめることなく挑む、あきらめることなく努力し続けることを佛教では「精進」と言います。

努力をした成果は努力をした本人に返ってきます。これは他の誰でもない、自らが取り組むことによって得ることができるものです。

辰年である本年をきっかけとして皆様もそれぞれの勉強、仕事、恋愛、趣味、ありとあらゆることにおける登竜門の年となるよう、日々たゆまぬ精進を致しましょう。

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