伊豆法難
鎌倉時代、教えを弘めることで幕府より罰せられ、役人によって今まさに海に沈まんとする「まな板岩」に置き去りにされた日蓮大聖人。
絶体絶命のピンチにあって、漁師の船守弥三郎に窮地を助けられ、その後、地頭の伊東氏の病気をご祈念して平癒、帰依を受け、後に在島1年9ヶ月あまりでご赦免になり鎌倉へ戻られた、これを伊豆のご法難といいます。
過酷な境遇の中で綴られた『顕謗法鈔(けんほうぼうしょう)』には、私たちが知らず知らずのうちに積み重ねている「根本の罪(謗法)」が明かされます。
それは「尊いものに目をつむる心」とも言える罪のこと。
正しいこと、大切なこと、正直なこと、世の真理というものを信じず、軽んじ、馬鹿にし、背を向けてしまう心の在り方です。
これこそが、私たちの苦しみの根本原因であると説かれました。
では、その罪を乗り越え、正しく生きるにはどうすればよいのか、一つの道しるべとして「四恩抄」もまた流罪中に著されたのでした。
「知恩をもて最とし、報恩をもて前とす。」
恩の大切さを示し、日々の生活の中で、生かされている自分に気づき、感謝の心で「報いよう」と一歩踏み出す「報恩」の生き方こそが、私たちの魂に刻まれた罪を滅し、真の安らぎへと繋がる道なのです。
