今月のおはなし 第31回

近年、多くの情報が飛び交っています。その情報の多さに本当の正しさ、真実が見えづらくなっています。その正しさや真実を知るためには、一方向から見ず、あらゆる方向から見聞きして、何がが正しいのか、何が間違っているのか自分で見極めなければなりません。そのためには、まず自分自身がどちらにも偏らず中立で物事を見るところから始めなければなりません。

妙法蓮華経(法華経)の如来寿量品第十六の中にある言葉「質直意柔軟」
 「質直にして意(こころ)柔軟(にゅうなん)なり」
 「飾り気がなく真直ぐで、柔らかなすなおな心である」という意味の言葉です。
この「質直意柔軟」の気持ちを持って物事を見聞きすれば、必ず真実に辿り着けることでしょう。

最初は何事にも素直な心で人の話しを聞き考えているですが、いつしか人の話しを素直な心で聞けず、考えなくなってしまう。そうならないよう「質直意柔軟」ということを忘れず、その言葉の意味を常に頭の中に入れ、真っ直ぐで純粋な心を保つ。いつまでもこの「質直意柔軟」で有り続けたいものです。
【蓮勝寺 犬飼盛勝】

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