中新田祖師堂

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 メリークリスマス... 副住職です。
 よく色々な方々から、「お坊さんもクリスマスやるの?」と聞かれますが、人並みに満喫します。子どもの頃は、友人を集めてお寺でパーティーをしたくらいです。「宗教的にいいの?」とも聞かれますが、そもそも日本人の中に、イエス・キリストのご生誕をお祝いする気持ちを持ってクリスマスを過ごしている人がどのくらいいるでしょうか?もちろんクリスチャンの方々は敬虔なお気持ちで臨まれているかと思いますが、多くの日本人は「なんとなく」クリスマスという素敵な雰囲気を楽しんでいることでしょう。私も同じです。以前、僧侶の先輩方と「お寺にサンタさんはやってくるのか」について話したことがありますが、どうやらお子さんのいるパパ僧侶は、この時期はサンタさんに変身するそうです。まさに師走。
 さて、本日は小田原市鴨宮の酒匂川沿いにポツリと建てられている祖師堂に初めてお邪魔してきました。中新田という地名にあるこちらの祖師堂は、古くから大久寺と今井本光寺さんのお檀家さん十数名によって管理されているそうです。不思議なことに、お寺は直接的には関与しておりません。私もつい最近までその存在を知らなかったので、年に3回あるというお掃除・ご供養の日にお邪魔してきたというわけです。ちなみに「祖師」というのは、日蓮宗では宗祖の日蓮聖人のことを言います。写真の真ん中に祀られているのがその日蓮聖人です。
 では、なぜこのような祖師堂が存在するのか。結論から言いますと、「謎」のようです。2年ほど前に郷土研究家の方が調査したとのことですが、決定的なことは分からなかったそうです。祖師堂の前にある石碑の表には、「南無妙法蓮華経」「水亡之諸精霊」「安政二年」等の文字が刻まれているので、水難に遭われた方々の供養の為に存在していることは確かなようですが、裏に刻まれる10名の仏様の法号(戒名)の没年は全くバラバラで、一番古い方で1634年です。表に刻まれる安政二年(1855)とは、200年以上も差があります。200年も前に水難で亡くなられた方のご供養の為に石碑・お堂を建てるのか。甚だ疑問です。
 ですが、言ってしまえばそのような「よくわからない」祖師堂・石碑を、代々守り維持し続けている方々には、ただただ頭が下がる思いです。お祖師様はもちろんですが、ご先祖様かどうかもわからないような仏様を、自分の仏様と同じように大切にされるそのお姿に、古き良き日本人の心を見たような気がします。

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