平成29年蓮門会出仕の施餓鬼法要

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 6月15日、蓮門会(庄内の日蓮宗寺院)出仕による施餓鬼法要が執り行われました。毎年行われる施餓鬼会ですが、ここで改めて施餓鬼の意味をご説明させていただきたいと思います。
施餓鬼とは書いて字の如く、「餓鬼に施す」ということ、つまり、餓鬼界に落ちて苦しむ霊に対し、飲食を施して供養をするという意味があります。餓鬼界は、仏教の十界の中で、下から2番目に当たり、ものを食べたくても食べることのできない世界といいます。
 施餓鬼の由来は、諸説あるといいますが、『焔口餓鬼陀羅尼経』に依る説が広く知られているかと思います。お釈迦さまの十大弟子の一人である阿難の前に、ある時、焔口という餓鬼が現れたそうです。その餓鬼は、阿難に対し、「お前は三日後に死んで、私のような醜い餓鬼に生まれ変わるだろう。」と言いました。驚いた阿難は、どうしたらその苦難を逃れられるだろうか問うと、餓鬼は「私たち餓鬼道にいる衆生、あらゆる困苦の衆生に対し飲食を施し、供養をすれば、汝の寿命も延び、私も又、苦難を逃れることができる。」と答えました。それを聞いた阿難は、お釈迦さまのところに行って教えを乞うと、お釈迦さまは施餓鬼法をお説きになられました。その通りに阿難は実践すると難を逃れることができたといいます。
 これが諸説ある中の施餓鬼の起源の一つといわれております。また、お盆のときに家の仏壇にご先祖さまをお祀りする盆棚のほかに、無縁仏に供養する施餓鬼棚(精霊棚)を設ける地域もあるといわれております。お盆の時期になりましたら、また盂蘭盆施餓鬼についてもお話させていただこうと思います。
 有縁無縁を問わず、施しをするという施餓鬼は、菩薩行の一つとして、とても尊い行いであり、今回当山で行われた僧侶12名による施餓鬼会にご参列なさった方は、大きな功徳を得られたことだと思います。これから夏に向かい、暑さ厳しくなっていくと思いますが、皆様、体調を崩されないようご留意いただき、ますますのご精進をご期待申し上げます。  合掌 (副住職)

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