今から30年ほど前、日蓮宗の学寮に在籍の頃の事。
友人より安く譲ってもらったギターがあります。
アコースティックギターといいます。
日々の厳しい制限の寮生活の中で、安穏な時間となりました。
僧道生活は、毎日数珠・袈裟を着帯します。
なので、このギターに
「袈裟丸」くん
と名付けました。
お経や、さまざまな所作、ご妙判(日蓮聖人のお手紙)を覚えるのもありますが、ギターコードも一緒に覚えていました。。。
4年生になり、お茶の水の楽器店で初めて新品を購入しました。
名前を、「数珠丸」くんにしました。
あれからいく星霜。
それぞれと対面しましたが、
メンテナンスが必要のようなので、できる範囲で手入れを行いました。
「君たちの事は、忘れてはいなかったよ、
しかし、触れてあげることは出来なかった、申し訳ない…」
ギターの本体は「木」なので、当然環境によっては曲がったりするらしい。
しかし、素人目には思ったより反ったりしていなかった。
私の青春を支えてくれたといっても過言ではない。
出来うるメンテを施したところ、垢抜けたように綺麗になった。
弦も新品にすると、柔らかい音色を放った。
ボディが「木材」なので、頻繁に使用しているものの方が鳴りは断然いいらしい。
いい音を出す為には、弦を押さえる指先を鍛えないといけないのです。
最初は痛いが、徐々に堅くなり音も良くなる。
ひとりで爪弾くのもいいが、
いつか、どこかで袈裟丸くん・数珠丸くんをご披露出来ないか
思案中です。