当山の寺宝である「八相涅槃図」ですが、現在は県立博物館に収蔵管理をお願いしています。
涅槃図とは、お釈迦様の最期の時、涅槃の姿を中心に悲しみにくれる弟子、信者たちの様子を描いたものです。正確なところは分かりませんが、様々な作者によって描かれ、所蔵されるお寺も多いことだと思います。
当寺の涅槃図は室町時代の画僧・兆殿司(ちょうでんす、明兆)によるものとも伝えられ、旧宗善寺から長年わたり護持されてきました。
10年ほど前でしょうか、県立博物館の学芸員の方に調査をお願いしたことをきっかけに、管理をお願いすることにしました。
それ以来、年度ごとに管理延長の更新をしています。
県立博物館には実は多くの涅槃図が所蔵されていて、これまでに一度だけその涅槃図すべてが公開されたことがあり、当寺の涅槃図もその一つとして公開されたことがあります。
本来であればお寺で管理すべきでしょうが、実際、適切な管理場所もなく不測の事態を考えると、将来への継承のためにはこれも一つの方法かと思います。