妙法蓮華経の持久走 三周目 安楽行品第十四

 ここまでで、お釈迦さまのすべての弟子たちは、成佛の保証である記を授かりました。そして菩薩行にはげみ、この娑婆世界で法華経を布教することを勧められます。しかし弟子たちは娑婆世界ではなく他の世界で法華経布教をするともうします。
 そこで文殊菩薩が、弟子たちへの助け船として、法華経布教の心構えをお釈迦さまに質問します。
 お釈迦さまは身・口・意・誓願の心構えを説かれます。
 身の心構えは、耐え忍ぶ心を持ち、落ち着いた振る舞い言動を心がけなさいと説かれます。また修行者として近づくべきではないことをあげ、近づかなければならない時は、胸中に佛さまがいらっしゃると念じなさいと説かれます。
 口の心構えは、人の短所、間違いを喜んで指摘してはならない。また人を貶めてはならないとともに、持ち上げてもならない。平等の意識を持って慎重に法を説きなさいと説かれます。
 意の心構えは、人に勝とうという心を持たず、平等に論理的であるように心がけなさいと説かれます。
 最後に誓願の心構えは、法華経を布教するという誓願を忘れてはならない。法華経はお釈迦さまの宝であり、王様が大事にしていた秘蔵の宝珠に例えられます。お釈迦さまも多くの苦難を乗り越えて法華経を説かれました。その法華経を授けられた弟子たちにも、布教をのぞまれるのです。

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