妙法蓮華経の持久走 小休止

 さて月に一度、妙法蓮華経の持久走として原稿を書いてきました。今年のお彼岸は持久走の小休止として、法華経を拝読して思ったこと感じたことを掲載します。しばしお付き合い下さい。

 妙法蓮華経序品第一の一節です。お釈迦さまが瞑想し、地面が震動する、眉間より光を放つなどの奇瑞を示されたのを見て、弥勒菩薩は文殊師利菩薩にこれから何が起こるのかと質問されます。すると文殊師利菩薩は、「遠い遙か過去に妙法蓮華経が説かれたときも同じ奇瑞がおこったのです。その時に私は妙光菩薩であり、弥勒菩薩は求名と呼ばれる菩薩だったのですよ」と文殊師利菩薩は告げられます。
 この求名菩薩ですが、文殊師利菩薩がおっしゃるに、常に怠け癖があって、かっこつけたがりの欲ばりで、在家の人と遊び、修行したことを捨て、お経の内容も忘れていたというのです。なんだか困った修行僧だなと思いつつ、なんだか心当たりのある修行僧だとドキドキします。
 そんな求名菩薩ですが、人々を善行に導き、たくさんの佛さまのもとで修行を重ね、お釈迦さまの次に佛となるといわれる弥勒菩薩となったのです。怠け癖があるような修行僧でも、志を忘れず、人々を導く善行を重ねれば佛となれる、といわれると嬉しくなるような、背筋が伸びるような、複雑な心境になります。
 
 求名菩薩も善行を重ね弥勒菩薩となったのです。怠け者で、学も薄い私が法華経を弘めようとするなんて、などという恐れを捨てて前に進まなければならないのです。

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