妙法蓮華経の持久走 二周目 五 不安な弟子たち

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 舎利弗尊者と四大声聞が、お釈迦さまに授記(成佛の保証)をされたとき、その他の弟子達は不安に思っていました。
「舎利弗尊者たちは授記されたが、私たちは授記をしてもらえるのだろうか。私たちは成仏できるのだろうか」
と不安に思っていたのです。
 お釈迦さまは、弟子たちの不安な気持ちをおもんばかり、富楼那(ふるな)尊者、憍陳如(きょうじんにょ)尊者、阿難(あなん)尊者、羅睺羅(らごら)尊者の四人にも授記をされます。

 四人を説明すると、
富楼那尊者 お釈迦さまの十大弟子の一人。弁論にすぐれ説法第一といわれます。
憍陳如尊者 お釈迦さまの最初の弟子。お釈迦さまが成佛して最初に教えを説いた五人の比丘の一人であり、そのリーダー的人物です。
阿難尊者 お釈迦さまの十大弟子の一人で、多聞第一といわれ、釈尊の従弟にあたります。常に釈尊の侍者としてともにあり、弟子のうち最も多く聞法の機会を得ました。釈尊入滅後の第一結集のときは、お経を唱える役目を負われます。故に経文の初めに「如是我聞」とある「我」は阿難尊者を指します。「お釈迦さまがおっしゃったことを、私はこのように聞きました」ということが、「如是我聞」にあたります。
羅睺羅尊者 お釈迦さまが王子であったときに、妃耶輸陀羅(やしゅだら)さまとの間にできた子供。王子が出家の決心をしたときに生れたため、出家の障害という意味でラーフラ(覆障)と名づけられたといわれます。お釈迦さまが故郷に戻って説法されたときに、十五歳で出家して弟子となります。父の威信を傷つけまいと密かに苦行をしたことから、密行第一と称せられる十大弟子の一人となります。

 四人は先の舎利弗尊者達と比べると、下位にあたります。上位の弟子たちは成佛の保証をしてもらえたが、私たち下位の者はどうなのだろうか、と不安に思っていたのです。お釈迦さまは、上記の四人のみならず、他の者たちも「大丈夫だよ、成佛できるよ」と授記をされるのです。

 言わなくても解るだろうということもありますが、あえて口にしてもらうことで、安心できることもあります。大丈夫、できるよ、と言ってもらいその気になれれば、努力を続けることもできるでしょう。

 それでも不安な弟子たちがいます。その弟子たちとは・・・。多分、来月にお答えします。
 次回はまた、15日頃です。

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