➂よくわかる!妙法蓮華経【写経会(中級・上級)】

当山の毎月の写経会は初級・中級・上級コースと分かれています。
このページでは
妙法蓮華経について、また中級・上級で書き写している文言について説明しています。

こちらもご一読ください
→【よくわかる!そもそも「お経」ってなに?

(1)『妙法蓮華経』とは
(2)『妙法蓮華経』の構成
如来寿量品第十六
如来神力品第二十一
欲令衆

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(1)妙法蓮華経とは?

『妙法蓮華経』はインドの言葉で書かれていたお経を、
5世紀に鳩摩羅什(くまらじゅう)という僧侶が漢文に翻訳したものです。
(現在の中国・西安)

サンスクリット語でのタイトルは
「サッダルマ・プンダリーカ・スートラ」
=「白蓮華のように最も優れた正しい教え」(植木雅俊訳)
となっていますが、

お釈迦様は80年の生涯を閉じられる最晩年にこの教えを説いた
=それまでに説いてきた数多くの教えを総まとめしたもので、
ご自身のすべての教えの「最終章」の部分といえます。

たとえば著名なビジネスマンの数ある名言集や言行録の、
「さいごに」や「むすびに」といった部分と考えると分かりやすいかもしれません。

妙法蓮華経(法華経)は実際に読んでみると、
ほかの経典に比べて
「たとえ話が多く抽象的で、具体的な教えが書かれていない」と指摘されることがありますが、
普通、
本の「さいごに」には具体的な内容が書かれることが少ないことを思えば
そうおかしなことでもないとご理解いただけるでしょう。

具体的で実践的な他のお経に比べると確かに難しい内容ではありますが、
逆に、
一つの「物語」としてみると
そのドラマチックで色彩ゆたかな展開が読んだ人を惹きつけてやみません。

(2)妙法蓮華経の構成
さて、
この経典は28の章から成り立っており、
大きくは①前半(1~14)と後半(15~28)に分けることができます。

このお経はお釈迦様が生涯の最晩年に説かれた教えであり、
そのため、
他のお経では明らかにされてこなかった教えがいくつも示されています。

そのなかでも特に大切なのが
①第二章「方便品第二(ほうべんぽんだいに)」で
 明かされている
 「誰でも仏に成ることができますよ」という教え、
②「如来寿量品第十六(にょらいじゅりょうほんだいじゅうろく)」で
 明かされている
 「仏とあなたたちの関係ははるかな昔からずっと続いており、
  私はあなたたちが仏になるまでずっと導き続けていますよ」という教え です。

この2つの教えは法華経、ひいては仏教全体にとっても
最重要といえる教えなのですが、
それゆえに理解することは簡単ではありません。

そのため、
まずはお釈迦様の説かれた教えの
「すべてのエッセンスが詰まっている」と考えて、
ただそのまま味わってみてください。

「私はあなたたちを守り続けていますよ」という言葉は
私たちに大きなやすらぎ、安心感を与えてくれます。

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法華経すべての章の解説は他に譲るとして、
以下は当山の写経会で用いている各章の(かんたんな)説明します。

◇如来寿量品第十六
(にょらいじゅりょうほんだいじゅうろく)

法華経を説くまでお釈迦様は「間もなく亡くなる」とご自身で仰っていましたが、
実はそれは「永遠の命がある」という真実を隠すための方便だったのです。
「永遠の命がある」といえば弟子や信徒たちは
「お釈迦様に頼っていればいいや」という依存心を捨てることができません。
しかし今、法華経の教えを説きながら弟子たちの強い信心を確認して、
お釈迦さまはこの真実を伝えてくださるに至りました。
「この教えを信じたならば、疑いを生ずることなかれ」
「一心に仏に成ろうと、日々精進していきなさいよ」
「私はあなたたちが仏に成れるまで、ずっと守り続けますよ」と、
励ましながらも守り続けることを示してくださいました。

より詳しい解説はこちら→【日蓮宗ポータル

◇如来神力品第二十一
(にょらいじんりきほんだいにじゅういち)

しかしながら、
お釈迦様はこの世界(娑婆世界)から一時的に退出されると仰います。
ではお釈迦様が去ったあとの世界で
「誰が仏の教えを伝えていくか」
「どうやって伝えていくか」を示しているのがこの章です。
実は、
いま法華経の教えに触れている私たちは、
お釈迦様の目の前で「私たちが伝えていきます」と宣言した者たちです。
「仏のすべての教えは法華経のなかに説いておいた」
「どこであろうとこの教えが説かれる場所が仏のまします道場となる」
「信じ、読み、教え、解き、伝えなさい」
と、修行に励む心を鼓舞するように道を示してくださっています。
 =与えられた大切な教えを次にどうつなげていくか=
伝道に限らず、ビジネスや教育の現場にもつながりそうな
示唆的な教えが説かれています。

◇欲令衆
(よくりょうしゅう)

方便品第二、またその他の章の部分部分から成る経文です。
この経文では
仏さまがこの世界に出現された理由が明らかにされ、
唯一、久遠の釈迦牟尼仏だけが私たちを救うことが出来るということ、
また、同席している多宝如来がそのことを証明されます。
言葉はシンプルながらドラマチックな展開となっており、
「分かりやすい、親しみやすい」と感じられる方が多いようです。
日本語に書き下して読むことが多いため、
より理解しやすいのではないでしょうか。

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初級の内容もあわせてご覧ください
→【よくわかる!やさしい言葉

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