7月3日に当山庫裡の設計を担当した(株)金剛組の1級建築士2名と工事部部長が来寺して、副棟梁と蓑甲部分の施工について打合せをした。
蓑甲とは、屋根の妻側部分の野地がゆるく曲線を描いて、矢切のほうへ下っている状態を言い、反った屋根の下地と、破風の間の段差を曲線で接続する部分の事をいう。
施工は、主に7/5~6の2日間で行われた。最初に駒額(こまびたい)と呼ばれる棟と軒付けを繋ぐ部材を、棟から軒付けへ少し下り勾配を付けて取り付ける。次に杉の35㎜程の厚さの材料をアールを付けて切り抜いた蓑甲の下地になる型板(櫛型とか骨板という)を取り付け、その上に箕甲桟(杉の五分角材)を順に打ち付け曲線を形成していく。仕上げに鉋で削りなめらかで美しい曲線の蓑甲の完成です。
屋根の反りも、蓑甲の曲線も、雨水を滞留させず、素早く水切れさせるための工夫であり、社寺建築の機能美の代表的なものの一つであるという。この微妙なラインは、寺社建築に受け継がれ続ける文化である。