哲学書や宗教書を読み漁り、母が これだと思ったのが法華経だったんです。
内田也哉子『週刊文春WOMAN』2023創刊4周年記念号より
内田也哉子さんは、2018年に亡くなった女優・樹木希林さんの娘である。樹木さんは生前「妙法蓮華経(法華経)」を信仰し、お題目を唱えていた。
樹木さんの夫と言えばロックンローラー・内田裕也さんが有名だが、その前にもある俳優と結婚していたことがあった。その俳優との離婚後、ブラックホールのような虚無感にさいなまれる。そうした日々の中で出会ったのが法華経だった。
人間の死亡率は100%であり、生まれた時から「死に至る病」に冒されているようなもので、この病を根本治癒できる医師も薬もない。病に気づき、治癒するには宗教によるしかない。そして医師に良し悪しがあるように、宗教にも良し悪しがある。
樹木さんは法華経をかかりつけ医とし、お題目を薬として、人生を送ったのである。