LINE法話「知恩報恩」

おはようございます。
現在、毎朝NHKでは、10月より連続テレビ小説『ブギウギ』が放送されております。主人公の花田鈴子は、大阪の下町の銭湯「はな湯」の看板娘。「はな湯」には、アホのおっちゃんと呼ばれている常連客がいます。

アホのおっちゃんだけがいつも無料でお風呂に入っていることを不思議に思った鈴子は母親のツヤに尋ねると、ツヤは「おっちゃんには恩があるから」と答えます。

五年前、鈴子の父親の梅吉とツヤは、香川から大阪に出てきて「はな湯」を開店しました。開店初日、なかなかお客さんが来ないことを不安に思っていると、「10万円を落としてきた」。というボロボロの服を着たおっちゃんがやってきて、風呂に入れてくれと言います。気前の良い梅吉は風呂に入れてあげて、おっちゃんは気持ちが良さそうに入ります。

おっちゃんは、「はな湯」に看板がないことに気づいて、お礼として「はな湯」の看板を作りました。この看板のおかげで客が増えたわけではありませんが、おっちゃんの嬉しそうな姿は、梅吉とツヤに銭湯を営むやりがいを教えてくれました。だから、「おっちゃんは恩人や。義理があんねん。義理を返すのが人情やねん」とツヤは話します。

義理と人情を大切にする花田家は笑いの絶えない温かい家庭であり、とても素敵です。普通ならば恩と思わないことでも、やりがいを教えてくれたという恩に気づいて、その義理を返そうとする花田家はとても立派です。

日蓮聖人は、開目抄のなかで、「四恩をしって知恩報恩をほうずべし」とおっしゃっております。四恩、四つの恩とは、私達を育ててくれた父母への恩、私達の周りにある生きとし生けるもの全てに対する恩、今生きている社会に対する恩、お釈迦様とその教えに対する恩のことです。私達は決して一人で生きていけるわけではありません。今日まで生きてこられたのは、多くの方々の支えがあったからです。

「あたりまえ」に思ってしまっていることはありませんか?どんな小さなことでも「あたりまえ」にせず梅吉とツヤのように、全てに感謝して、その恩に報いようと一生懸命に生きることが大切です。

それが「仏様の教え」なのです。本日も1日、精一杯に生きましょう。

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