平成22年6月23日にNAC湯村在宅介護支援センターにてボランティア活動を行いました。昨年は窓拭きや掃除のお手伝いを致しましたが、今年は入所者の方々に対して法話会を開きました。青年会を代表し3人の青年僧が「生きる」というテーマに沿ってお話しをさせて頂きました。我々も入所者の方々と触れ合うことで大変勉強になりました。この様な機会をご提供頂きましたNAC湯村在宅介護支援センターの皆様にこの場を借りて改めて御礼申し上げます。
寄付金贈呈
平成21年度歳末助け合い行脚にて集まりました浄財の一部をNAC湯村在宅介護支援センター様に御寄付致しました。
第一話 楞厳寺 山岡義正上人 『生きる』
生きるとは、自ずから自分の心を磨く事が大切です。
そうすれば、本日の天気のような気持ちが暗い時でも、生きてるって事は「有難いな」と思う事ができる。
日蓮宗では『命に合掌』という言葉が御座います。
皆様がご飯を食べる時に「いただきます」「ごちそうさま」と手を合わせると思います。
手と手を合わせるという事は、人と人とのつながりをもって感謝するという想いが込められています。その想いを御先祖様やまわりの方々に持ち、感謝の想いで生きていって欲しいと思います。
ご清聴ありがとうございました。
第二話 蓮生寺 藤田義敬上人 『心の大事』
お釈迦様の喩え話の中に『四人の妻』という喩え話があります。
一人目の妻はいつも近くにいて大事にしていた妻でした。二人目の妻は友達と喧嘩をしてまで得た妻で、時々会えなくなると気遣って手紙を送るなどしていました。三人目の妻は長い間会わないと心配になってしまいました。四人目の妻は自分の妻なのか忘れてしまう程ほったらかしにしていました。そんな主人がいよいよ人生の終わりを迎える時に誰か一緒についてきてくれと頼みに行きました。
しかし、一人目、二人目、三人目の妻には断られてしまいました。
そして最後に自分の妻であることを忘れてしまいそうになるくらいほったらかしにしていた四人目の妻の所に頼みに行きました。そしたら四人目の妻は涙を流しながら「やっと存在を思い出していただけましたか」と言いついてきてくれました。このお話は喩え話です。
一人目の妻は人間の『体』、二人目の妻は『財』、三人目は『家族、友人』、四人目は『心』をあらわしています。人間はこの『心』というものを忘れがちです。この心は非常に大切なもので、この『心』が綺麗だとまわりも明るくみえてくるはずです。
これからも『心』を綺麗に大事にして頂きたいと思います。
第三話 武井坊 小松祐嗣上人 『生きる』
「人間は皮の袋である」瀬戸内寂聴さんの言葉です。
若そうにみえる人、健康そうにみえる人も中身が備わっていません。その中身は『心』の部分です。人間はワインと一緒です。ワインは熟した方がおいしいです。人間の『心』も一緒で皆様(聴衆の方)の心の方が人生経験などといった部分で芳醇で豊かです。
その芳醇で豊かなワイン(心)を我々のような若い人たちに少しずつ少しずつ分け与えて下さることが、それが実は『生きる』ということにもつながってくると思います。
皆様(聴衆の方)がお家に帰られましたら子供さんやお孫さんに自分の人生の経験をお話していただき、若い人たちのワイン(心)を芳醇に、豊かにしていただきたいと思います。