令和5年1月29日(日)平塚市ホテルサンライフガーデンで、令和4年度、神奈川県第三部宗務所(山﨑浩道所長)主催の教師研修会が行われた。
今年度は教化センターが担当となり、午後2時から開始。横浜市妙法寺の久住謙昭住職、東京都国立市一妙寺の赤澤貞槙住職を講師に迎え、30名ほどの僧侶が出席の下、「ゆるやかなご縁から檀信徒へ」というテーマの研修会が開催された。
久住師は檀家制度とは異なる、信徒との新しいお付き合いの形としての「会員制度」を紹介。同寺では、既存の檀家以外に3つの会員の形態を設ける。月一の読経・法話会のお知らせが届く「浄心道場会員」、年2回の寺報が届く「お便り会員」、年4回の寺報が届き年会費を納める「妙法寺会員」だ。信徒はお寺との心地よい距離感を検討の上、自ら好みの形態を選択することができる。会員数は順調に増え、法事の実施率も檀家に近づいてきたという。
赤澤師は宗門で初めての国内開教師として、無縁の地でいかに信徒を増やしていったかを講演した。布教をする中で気付いたことは、どんな人でも自分の話を聞いて欲しいという願いを持っているということ。お寺に来る人を「自尊心が満たされたいという空腹を抱えた人」と見なし、自分の話を抑えて積極的に相手の話を聞くことに努めた。また、仏事では相手の記憶へ残ることを意識し、一連の儀礼が物語として伝わるように心がけているという。講演の最後には、現代の話言葉で故人へ語りかけるようなオリジナリティの高い引導文を披露した。
講演後は予定時間いっぱいまで熱のこもった質疑応答が交わされ、研修会は盛況に終わった。