宗務所長からのご挨拶

令和六年元旦、能登半島において直下型の大きな地震が発生し、多くの行方不明、犠牲者が出て甚大な被害を被りました。心からのお見舞いとお悔やみを申し上げます。

日蓮大聖人が生きた時代も同様でした。地震・暴風雨・飢饉・疫病などの様々な災害が相次いだことから、日蓮大聖人はその原因を一切経に求め、人々が正法である妙法蓮華経(法華経)を信じず、他経を信じていることにあると確信し、信仰を正すために「立正安国論」を鎌倉幕府に呈上されます。我々もこの末法の憂う事象は、お釈迦さまからのメッセージと受け止めるべきではないでしょうか。

日蓮大聖人のお言葉に「鳥と虫とは鳴けども涙落ちず、日蓮はなかねども涙ひまなし、此の涙、世間の事には非ず、但偏に法華経の故なり。若ししからば甘露の涙とも云ひつべし。」とあります。日蓮大聖人は人々を救いきれない事を憂いて涙を流されているのではありません。鳥と虫のような世間の喜怒哀楽の涙ではないのです。正しい教え(法華経)が弘まり、皆が仏となり慈愛に満ちた世の中になってほしいというお釈迦さまの大慈悲を悟られ、法華経の教えを弘める機会を得られた有難い仏縁に涙されています。

我々法華経の信者はただ悲しみの涙を流すのではなく、法華経に巡り逢えたことに感謝し、お題目によって多くの人々が救われるのだという揺るがない信心を持ち、世界中の人々が幸せに過ごせるよう国土安穏、世界平和実現のためにお題目をお唱えし、お釈迦さま・日蓮大聖人の悲願のために精進して参りましょう。

日蓮宗佐賀県宗務所長
松尾山護國光勝寺貫首
松島正英

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